【note詩】海と母

泳げる息子が
泳げない母に
こう言った。

「海のなかで
息ができれば
いいのにね」

なるほど
それなら私も
溺れない。

だけれども
浮かなかったら
帰れない。

私はどうやら
海の生物として
生きるか

海底を歩いて
ヒトに戻るしか
なさそうだ。

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