エピソード12

「さよなら」あの雨の夜、きみはぼくに背を向けた。ぽん、と開いた傘がきみの顔を、すっかり隠してしまっていた。泣いていたのか、微笑んでいたのか...

【詩】秋の夕べ

秋の風は肌のいちだん深いところを通りすぎてゆく 乾いた草の匂い染みわたる鳶の声 傾きかけた太陽が熟れた果実のようにぷつ、と弾け...

娘の帰省

こないだまで、娘が帰省しておりまして。 今年の春に、進学のため家を出て、ひとり暮らしをはじめた娘。ついにわたしも、子どもを迎える側に...

走る直感

黒いものが、ばらばらとはがれ落ちていく。ぐんぐんと風を切るほどに、わたしのからだは透明になる。そんなイメージで、走っている。 わたし...