【詩】秋の風になる

うるんだ風が
吹きぬけた。

智恵子が
がりりと噛んだ
レモンのように、

みずみずしい秋を
たぷり、と
満たした風だった。

おおきく
息を吸い込んだ。

わたしも、
秋の風になった。

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