罪深きケーキの断面

見るともなく見ていたスマホに、カフェの風景が流れてきました。
そこに映っていたのは、テーブルに置かれたコーヒーと、いちごのショートケーキ。
横から見た画像で、ケーキの断面が、すごくおいしそう! って思ったんです。

ふんわりと舌の上でたわむに違いない、金色に近い黄のスポンジ。
すぱっと潔く断ち切られた、いちごの内面のグラデーション。
ケーキの厚みを一定に保ち、空間を演出している、真っ白な生クリーム。
三位一体となって、私の目に、口に、訴えかけてきます。

あれ。私もしかして、ケーキの断面、大好きなのかもしれない。

まあるいデコレーションケーキも、美しいけれど。
生地が幾層にも重なる、ミルフィーユやミルクレープも、繊細だけれど。
チーズケーキやロールケーキのように、シンプルな断面は、きめ細やかさが光るけれど。

ケーキの断面の画像を検索しながら、
でも、やっぱり、フルーツとクリームの断面が好き。
って、確信しました。
いちばんおいしそうだし、いちばんときめく。

…と、ケーキの断面を眺めながら、悦に入っていたら。
なんと「断面ケーキ」なるものが、存在するらしいですね!
知らなかったなあ。

ケーキの外側に、輪切りにしたフルーツを貼りつけていくもの。
すごく可愛いし、ホールケーキをカットする断面美よりも作りやすそうです。
ううむ…しかし。
これだと、フルーツと生クリームの断面のハーモニーは楽しめる。
だけれども、スポンジにも、断面をさらけ出してほしい…。

食べてもいないのに、なんなら買ってすらいないのに、実物は目の前にないのに。
こんなにも私の心と体を、ケーキで満たしてしまうなんて、罪深き断面ですよねえ。

そしてまた、実際に食べるとなると、
フォークをスポンジにぎゅっと差し込んで、この美しい断面を崩さざるをえない。
背徳感と、征服欲とが、満足を刺激する。

ああ、罪深きケーキの断面を愛してしまった私が、ここにいる。

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