物語一覧

エピソード9

ストローで、グラスをかき混ぜた。カラン。氷が鳴る。カフェのドアが、勢いよく開いた。カラン。ドアベルが鳴る。わたしは顔を上げた。にっこりと笑...

【掌編小説】てっぺん

キャー、と響く笑い声が、青空に高く溶けて消える。ジェットコースターを降りた瞬間、喉がからからに乾いていた。あたしたちも、下に聞こえるぐらい...

エピソード8

今日もしとしと、雨が降る。わたしの涙も、止まらない。雨に濡れた、緑の葉っぱは、いきいきとして、嬉しそう。雨あがりの、この子たちは、きらきら...

エピソード7

祖母の家の時計は、いつも10分進んでる。「お迎えに遅れないようにね」昔から、そう言って笑ってた。保育園のお迎えも。習い事のお迎えも。デイサ...

エピソード6

「あっ、流れ星!」あわててお願いごとをした。間に合わなかった。「そんなに大事な願いごとなら、毎日願っときなよ」あなたは言う。そうしたら、今...

エピソード5

「ママ、みて! ピンク!」娘が、夕焼け空を指さす。本当だ。ピンクだね。わたし、ずっと、夕焼けはオレンジだ、って思ってた。そんなこと、誰も決...

エピソード4

どおん。ぱらぱら。夏の夜空に、打ち上げ花火が咲いた。「ねえ、見て! きれい!」思わずふり返る。君はもう、そこにはいない。来年も一緒に見よう...

エピソード3

「ねえねえ」って誰ともなく呼んだら、キッチンから、リビングから、「なあに?」って返事があった。「あーっ!」って声をあげたら、「どうしたの!...