エピソード9
ストローで、グラスをかき混ぜた。カラン。氷が鳴る。カフェのドアが、勢いよく開いた。カラン。ドアベルが鳴る。わたしは顔を上げた。にっこりと笑...
ストローで、グラスをかき混ぜた。カラン。氷が鳴る。カフェのドアが、勢いよく開いた。カラン。ドアベルが鳴る。わたしは顔を上げた。にっこりと笑...
キャー、と響く笑い声が、青空に高く溶けて消える。ジェットコースターを降りた瞬間、喉がからからに乾いていた。あたしたちも、下に聞こえるぐらい...
今日もしとしと、雨が降る。わたしの涙も、止まらない。雨に濡れた、緑の葉っぱは、いきいきとして、嬉しそう。雨あがりの、この子たちは、きらきら...
祖母の家の時計は、いつも10分進んでる。「お迎えに遅れないようにね」昔から、そう言って笑ってた。保育園のお迎えも。習い事のお迎えも。デイサ...
「あっ、流れ星!」あわててお願いごとをした。間に合わなかった。「そんなに大事な願いごとなら、毎日願っときなよ」あなたは言う。そうしたら、今...
「ここが、みのりの生まれた町かあ」一両しかない電車に乗って、無人駅に降りたったマサキが、感慨深そうに目を細める。「おじいちゃんみたいなこと...
「ママ、みて! ピンク!」娘が、夕焼け空を指さす。本当だ。ピンクだね。わたし、ずっと、夕焼けはオレンジだ、って思ってた。そんなこと、誰も決...
どおん。ぱらぱら。夏の夜空に、打ち上げ花火が咲いた。「ねえ、見て! きれい!」思わずふり返る。君はもう、そこにはいない。来年も一緒に見よう...
夏休みの前には、図書館に行く。おじいちゃんとおばあちゃんの家に行くからだ。 おじいちゃんとおばあちゃんは、すごく田舎に住んでいる。畑...
「ねえねえ」って誰ともなく呼んだら、キッチンから、リビングから、「なあに?」って返事があった。「あーっ!」って声をあげたら、「どうしたの!...