エピソード13
反対側のホームに、あなたを見つけた。あ、と口が動いた。あなたも、たぶん私に気がついた。ごうっと電車が通り抜ける。もう一度、向こうが見えたと...
反対側のホームに、あなたを見つけた。あ、と口が動いた。あなたも、たぶん私に気がついた。ごうっと電車が通り抜ける。もう一度、向こうが見えたと...
「さよなら」あの雨の夜、きみはぼくに背を向けた。ぽん、と開いた傘がきみの顔を、すっかり隠してしまっていた。泣いていたのか、微笑んでいたのか...
「これ、読みたいって言ってたよね」って、貸してくれる本が好き。あたしの話、覚えててくれたんだ。「これ、好きそうだと思って」って、貸してくれ...
雨の日に、告白するって決めていた。雨が降っていたら、涙が流れても、きっとあなたに気づかれないから。傘をさしてしまえば、ぐしゃぐしゃの顔も、...
ストローで、グラスをかき混ぜた。カラン。氷が鳴る。カフェのドアが、勢いよく開いた。カラン。ドアベルが鳴る。わたしは顔を上げた。にっこりと笑...
キャー、と響く笑い声が、青空に高く溶けて消える。ジェットコースターを降りた瞬間、喉がからからに乾いていた。あたしたちも、下に聞こえるぐらい...
今日もしとしと、雨が降る。わたしの涙も、止まらない。雨に濡れた、緑の葉っぱは、いきいきとして、嬉しそう。雨あがりの、この子たちは、きらきら...
祖母の家の時計は、いつも10分進んでる。「お迎えに遅れないようにね」昔から、そう言って笑ってた。保育園のお迎えも。習い事のお迎えも。デイサ...
「あっ、流れ星!」あわててお願いごとをした。間に合わなかった。「そんなに大事な願いごとなら、毎日願っときなよ」あなたは言う。そうしたら、今...
「ここが、みのりの生まれた町かあ」一両しかない電車に乗って、無人駅に降りたったマサキが、感慨深そうに目を細める。「おじいちゃんみたいなこと...