春から大学生になる娘の、スーツを買いにいきました。
店員さんに相談しながら、サイズや形を選んで。
試着室から現れた娘は、すらりとした女性になっていました。
小学校の制服を初めて着たときも、中学校の制服に変わったときも、
お姉さんになったなあ。と思ったんです。
そして、ちょっぴりぶかぶかの制服がまた、可愛いな。って。
高校の制服に袖を通したときは、ほとんどぴったりサイズだったから、
すっかり大人になったなあ。って、しみじみと。
青春、楽しんでくれたらいいな。と笑みがこぼれたものです。
なのに、スーツを着た娘は、今までのどれとも違っていた。
美しく整えられた、ジャケットのライン。
体に沿って、しなやかに流れるスカート。
まだ履いたことのなかった、黒いヒールのパンプス。
ああ、本当に大人の女性になった。
親の手を離れる最良の日が、来るのだと思いました。
新しい服を纏って、娘はもうすぐ、家を出ます。
嬉しいな。誇らしいな。
今はまだ、喜びと慌ただしさしか、感じていないのだけれど。
ちょっぴり寂しくなったり、するんだろうか。
今日まで育ってくれて、ありがとう。
泣きたくなるほど嬉しいけれど、まだ涙は出てこないよ。
「ありがとう」が、あふれてくるよ。
