「詩とメルヘン」と私

やなせたかしさんが編集を務めていた、大好きだった雑誌です。

高校生の頃から、社会人になり休刊を迎えるまで、ずっと本屋さんで予約購読していました。

じっくりと読み込んだ時期もあれば、忙しくてぱらぱらとしかめくれなかった時期もあります。

投稿の頻度もまちまちだったけれど、私の「書く」人生には欠かせない存在で。

このタイトルのテーマでお便りが募集されたときにも、エピソードや思いのたけを書いて送りました。

数年分もの月刊誌を持ち続けることはできず、現在手元に置いてあるのは、投稿詩を掲載してもらった3冊だけ。

それでも、たくさん本棚に並べていたときより、ひとつひとつの詩をじっくりと味わうようになり。

大切に、ときおり読み返しています。

読むたびに、あったかくて嬉しくて、涙が出そうになります。

掲載通知が来たとき、それはもう夢のようだったなあ。

私の作品は、ちゃんと誰かに届いていたんだなあ。

憧れのイラストレーターさん、好きだった詩人さん。

そこに自分の名前が連なった感動は、今でも私の原動力のひとつです。

「詩とメルヘン」は、両親の作ってくれたアルバムに似ています。

以前に書いた「理解が深まり、感じ方が変わる読み返す楽しさ」とは違う。

丁寧に綴られた昔の写真を見返しては、幸せを反芻する楽しさですね。

たっぷりのみずみずしい感性を、ほんの少しの感傷で包み込んだ、思い出の絵本のような存在でもあります。

めくるたびに心が満たされる詩集なのです。

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