ヒーローはいるのです

長女は現在、週に1回のペースで、小児科の受診やカウンセリングを受けています。

毎週のように来ていれば、いくら運転が下手な私といえども、病院の駐車場にも慣れたもので(笑)。

今ではほとんど問題はありませんが、この駐車場に来るたびに、思い出す出来事があります。

あれは数年前、まだ1歳にならない次男を乗せて、受診に訪れたときのこと。

広めの平面駐車場が満車だったので、通路の狭い立体駐車場へ、車を入れました。

奥に1ヶ所空いていた場所に、バックで停めようとして、うまく切り返せずに、立ち往生してしまったのです。

もはや、前に進んでも後ろに下がっても、どこかにぶつかりそうな幅しか空きがなく、さらに後ろからは、次の車が迫ってきていて。

謝るために車を降りた私は、たぶん、泣きそうな顔をしていたと思います。

すると、後ろの車から、建設会社の作業服を着たおっちゃんが降りてきて。

「替わったろかー」

と、手に持っていた財布と鍵を、ぽんと私に渡して。

運転席に座るやいなや、あっという間に、きれいなバックで、車を入れてくれました。

本当に感動して、何度も何度も頭を下げたことは、言うまでもありません。

人は信頼できるもの

私だって、車に次男を乗せてはいましたが。

それでも、自分の貴重品を、あたり前のように見知らぬ私に預けて、運転を替わってくださったわけです。

私がもし、その立場になったら、同じことができるかな。

運転を替わってあげることはできても、自分の荷物を渡してまでは、できないんじゃないかな。

数年たった今でも、そう思います。

ちょうど、田舎の人間関係に、疲れていた時期でもありました。

でも、人って信頼していいんだな、と。

今でも、思い返すたびに、あったかい気持ちになる出来事でした。

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