「あっちむいてホイ」に、勝てない私。

「じゃんけんぽん! あっちむいてホイ!!」

ふりむきざま、すれ違いざまに目を合わせ、始まる真剣勝負。
45歳母と、中学生息子の、火花散る攻防。

現在のところ、体感9割5分の確率で、私が負けている。
そう、勝てないのだ。
じゃんけんに勝てても、あっちむいてホイに勝利できない。

息子いわく、
「目線が一瞬動いてる」
「指を動かす前の、予備動作がデカい」
「いつも動きのパターンが同じ」
とのことなのだけれど。

そのアドバイスをもってしても、一向に勝率が上がらない。
いちおう、気をつけてみてるんだけどなあ。
あいかわらず読まれっぱなしだし、
息子の目線も、予備動作も、パターンも、私にはわからない。
ううむ、敵に塩を送る余裕があるとは。やるな息子よ。

荒野のガンマンがごとく、今日も出会い頭に勝負が始まる。
勢いに負けて、指につられて同じ方向を向いてしまうことも、よくある。
明らかなミス。母の悲壮なうめき声が、廊下に響く。
戦いに向かう気概からして、もはや器が違うのではないだろうか。

君はきっと、大物になるよ。
もう私の身長は抜いちゃったけど。
もっともっと、大きく強くなるんだろうね。

憎まれ口を叩いてばかりの、反抗期の息子。
しかし、この勝負だけは、真剣に、笑顔で挑んでくる。
いつまで母と遊んでくれるだろうか。

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