幸せな暮らし

日暮れ前、玄関の扉を開けたら、三日月が見えました。

細い細い月。

華奢なアクセサリーのように、夕空に輝いていて、とっても素敵です。

「ねえねえ! 月が綺麗!」

私の声に応えて、長女が顔を出します。

「どれどれ? ほんとだー」

ひょっこりと覗いて、またすぐに引っ込んでいきました。

――たまたま見た月が綺麗で、それを誰かに話すことができて、ちゃんと聞いてもらえる日常。

何だか、幸せだなあと思いました。

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