【詩】別れの跡形

もしも わたしが
水だったなら

さまざまに形を変え
いつも どんなときも
あなたとともにいて

あなたの生きる糧となり
なくてはならぬものに
なれたのだろうか

波打つ激情のままに
跡形もなく あなたを
攫ってゆけたのだろうか

あなたを失ったあとも
なお わたしは
わたしという形で生きている

あいかわらず
歪なままで

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