育児書コーナーではなく、児童書コーナーで発見。
「子育てハッピーアドバイス」は、親子で読める育児書ですが、こちらは子どもの質問に直接答えてくれる、小学生向けの漫画になっています。
「どうして、子どもには自由がないの?」とか、「あいさつは、なぜ大切なの?」とか。
「どうして、平気で約束を破る子がいるの?」とか、「どうして、勉強をしなければならないの?」とか。
自分が子どもに訊かれたら、一瞬答えに詰まってしまいそうな、けれどすごく的確な質問がずらり。
それに対する明橋先生の答えがまた、子どもにもわかりやすく、伝わりやすい。
なるほど、小児科医や精神科医、カウンセラーなど、子どもを支援している人たちは、こう答えるのか…と感心しきりです。
たとえば、先述の自由については、
自由はつねにきけんがつきもの。
大人になるまではできないことがあるのは、それだけ「守られてる」ってことなんだよ。
あいさつについては、
あいさつは、たった一言で
あなたのことが大切
というメッセージを伝えるすてきな言葉。
約束については、
約束といっても、深く受け止める人と、軽く考える人と、いろいろある。
約束を守れるということは、すばらしいことだよね。
勉強については、
勉強というのは、しょうらいの夢や、自由を手に入れるための「貯金」のようなもの。
勉強をすることで、未来のチャンスが広がるんだ。
それぞれの質問ごとに、漫画での解説があり、このようなまとめの言葉でしめくくられています。
私も思わず「なるほど!」ですよ。
長女も、診察室やカウンセリング室で、こんなふうに対話してもらっているのかな、と想像できました。
子ども向けに書かれているからこそ、本質をしっかりと掴める答えになっているなあ、と思います。
本当に大切なこと
「本当に大切なことは、とてもシンプルな2つのこと」だと、明橋先生は言います。
1つは、あなたは、とても大切な、かけがえのない存在なんだよ、ということ。
もう1つは、人のことを傷つけていい人なんてこの世に1人もいないし、あなたは傷つけられてもしかたのない人では、決してない、ということ。
このことを、今の子どもたちは、必ずしも教えてもらっていないのではないか、と。
確かに、そうかもしれません。
欠点を直したり、友達と同じようにできるようにしたりするために、親は声をかけてしまいがちです。
それがあまりに先立ってしまうと、根っこの部分の愛情が、子どもには伝わりにくいだろうし。
「当たり前のことのように思えるし、道徳の授業なんかで言葉としては教えられているかもしれないけれど、でも現実は決してそうじゃないこともあるのです。」
との言葉通り、とっさに世間体や和を保つことを優先してしまい、子どもに寄り添えないことも、ありました。
愛情も、しつけも、勉強も、大人が子どもに向けるものすべてに言えることですが。
子どもに伝わるように、伝えなければ意味がないですよね。
ぜひ、子どもと一緒に、読んで話したい1冊です。