キンモクセイの記憶

今朝は、徒歩で長女を学校まで送りました。

往復20~30分の道のりは、ちょっとしたお散歩みたいなものです。

帰り道、いつもの大通りから外れて、1本手前の道を曲がりました。

特に理由はなく、何となく。

角の大きなお家から、ふわりとキンモクセイの香りがしました。

私の好きな匂い。

その香りをかいだ瞬間、自分が小学生だった頃、通学路に毎年咲いていたキンモクセイを思い出しました。

樹のそばを通るたび、私は想像の中では、キンモクセイのお花のドレスを着たお姫様で。

優しい香りをまとって、広い野原や森を、ふわりふわりと、どこまでも歩いていくのです。

そんな空想をしていたこと、もうすっかり忘れていたというのに、香りをかいだだけで、鮮やかに甦りました。

匂いの記憶ってすごいんだなあと感心しながら、歩いて帰りました。

いつかの想像のお姫様のように、足どりも、心も、軽やかに。

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