体を使って、会いに行く。

「じゃっ、遊びにいってきまーす!」

寒の戻りで、空気の冷たい3月の午後。
小学生の息子は、軽快に自転車をこいで、出かけてゆきました。

リュックには、おやつと水筒と、ゲーム機。連絡用のスマホ。
現代っ子の持ち物ですね。

でね。
息子、さっきまで、今から会いに行く友達と、ゲームをしていたんです。
オンラインで、マイクを通して会話しながら。

「○○、行くぞ!」「よっしゃあ!」
「うわーダメだ!」「あー、ちょっとタイム、待って!」
それはそれは、にぎやかに、楽しそうに。
表情がくるくる変わるのが、見ていて飽きません。

そうして突如、
「オッケー? じゃ、今から行くな!」
とゲームを終えて、いそいそと準備をして、シャーッと自転車を走らせていきました。

なんだか、いいなあって思いました。
さっきまでオンラインで遊んでいた友達に、会いに行く。
一緒に隣にいたとて、同じゲームで遊ぶのに。
別に、わざわざ会わなくても、遊び続けることはできるのに。

それでも、遊びたいから、会いに行く。
たびたびオンラインで繋がっていても、仲良しの人たちと同じ空間で過ごすのは、
私だって、やっぱり「いいものだなあ」って思いますから。

その感覚を、ちゃんとわかっている息子が、素敵です。
春にしては寒い中、自転車でもそれなりの距離を。
ハンドルをぎゅっと握って、ぐんとペダルを踏みこんで、風を切って、友達のところへ。

体をめいっぱい使って、会いたい人に、会いに行く。

「いってらっしゃーい、気をつけてね!」
私も負けずに、大きく手を振りました。

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