神奈川県で、ちいさな本屋さんと学習塾と出版社を営む、
比嘉教子 ひがっちさんに、選書していただいた1冊です。
【金の角持つ子どもたち(藤岡陽子)】

読んでいて、何度も涙が出ました。
登場人物すべての挑戦が、真摯で。
私はこんなに、物事に向きあったことがあるだろうか…
と、思わず人生をふり返るほど。
中学受験に挑む、主人公の俊介はもちろんなのだけど。
俊介を支える父も母も妹も、塾の先生も友達も、それぞれに挑戦をしているわけです。
俊介の「夢」という言葉を聞いたときの、母親の、
”一生身につけることなどない、自分とは無関係だと思っていた大粒のダイヤモンドを目の前にころんと差し出された、そんな気持ちだった。”
という感覚が、胸に刺さります。
ひとりの真摯な挑戦が、別の誰かの扉を開けて、新しい挑戦に繋がっていく。
ひとりひとりが「挑む」ことで、変化してゆく。
挑戦の第一歩は、大きなうねりを生んで、人を動かすんだな…って。
漫画やドラマみたいに、華やかな舞台や、冒険活劇じゃなくても。
生きている限り、誰もが挑戦者なのだと思えました。
それは自分も例外ではなく。
物語のように緩急大きく、心を震わすものではなかったとしても。
過去の私と、いまの私は、確実に違っています。
ちなみにこちらは、ひがっちさんに横浜の書店・有隣堂さんを案内していただいた際に、選書してもらいました。
お店でブックカバーをかけてもらったのですが、折り返しの部分に、こう書かれているんです。
「本は心の旅路」

読む前に目に入ると、これから始まる物語が楽しみになるし、
読み終えたあとには、現実の世界におかえりなさい、と温かく迎えられている気持ちになります。
現実の世界で、生きていく何かしらに挑んだからこそ、いまの私がある。
そして、これからの私を作っていく。
楽しみですよね。
私自身の未来も、周りにいる人たちも未来も!