「買わない、持たない。だから、捨てない。」
帯に、そう書かれていました。
フランスの家庭では、各部屋にゴミ箱を置かずに、台所に大きなゴミ箱がひとつあって。
日本と比べて、「捨てること」自体が少なくてすむ暮らしのため、家族がみんな、そこへゴミを捨てに行くスタイルでも、不便ではないのだそう。
シンプルで合理的な暮らし方と、その元になる考え方や生き方が、日本人にとっては新鮮に感じます。
私が素敵だなと思ったのは、
- 日用品をストックしない
- 子どもの作品も、飾り方ひとつで立派なアート
- 買い物カゴは必須アイテム
- 家では、ワインやコーヒーを飲まない
- 果物はインテリアの一部、食べるときは皮ごと
- 普段着はジーンズがあれば十分
- 髪の毛はナチュラルが一番
- 水を飲むのが、一番のスキンケア
- 服を買うより、花を買う
- 外出の荷物は少なく
- 年齢を問わず人生を楽しむ
こんな暮らし方でした。
日常がシンプルだからこそ、時間やお金にもゆとりができるのかもしれません。
だから、今の日本人のように働きづめではなく、毎日をいきいきと、優雅に過ごしているように見えるのかも。
バカンスを中心に据えたライフスタイルも、うらやましいなと思いました。
子どもとの距離感
いちばん印象的だったのは、著者が子どもの写真を撮っていいかと親に訊くと、たいていの親が、
「本人に聞いてみて。子どもがオッケーなら私もオッケーよ」
そのように答える、というエピソードでした。
日本では、2~3歳の小さな子どもに、自身の意志を確かめることは、ほとんどないのてはないでしょうか。
私も、幼い我が子たちに、そんな声かけをした記憶はありません。
フランスでは、子どもたちに「自分で考える経験」と「自分の意志を伝える経験」を積ませている、とMIKAさんは書いています。
「子どもを自立させる子育て方法が、確立している国」なのですね。
日本には、日本のよさがあると思っています。
日本特有の丁寧さや真面目さ、協調性や謙虚さは、ひとつの文化ですし。
けれど、もしそれが、自身を苦しくしているときは。
視野を広げて、世界のいいところを取り入れて暮らせたら、もっと素敵だな、と思います。