マイナスな心の片づけかた(藤野良孝)

生き方や考え方の本は数あれど、「オノマトペ」という切り口は初めて。

著者の「オノマトペ研究家」という肩書きが、もう素敵ですよね。

冒頭で、本書のキーワードは、

  1. ポジティブ
  2. プラス
  3. チェンジ

だと書かれている通り、ほんわか幸せムードというよりは、前向きでキラッキラ! な雰囲気です。

ですが、作中にもあるように、オノマトペには「場を和ませる」「ネガティブな表現もマイルドにできる」といった効果があるので、ポジティブすぎるほどポジティブな本文も、柔らかく受け止められました。

ひとつの項目が見開き2ページに収まっていて、ぱらりとめくって気軽に読めます。

例えば、「スタッスタッ」と歩くと姿勢がよくなる、姑には反抗せずに「ふわ~ふわ~」で受け流す。

もっちもちのパスタ、ふわっふわのパンケーキなど、小さい「っ」が入るオノマトペは、食事に誘うのに最高。

子どもみたいに「ぴょんぴょん」飛び跳ねて、心が若返る。

料理はトントントン、パラパラ、くるん、チョロなど、動きをオノマトペに置き換える。

どれも、すぐに試せて、おもしろかったです。

「嫌いな人のあだ名を考えよう」では、例として、否定的に話を言いふらす人は「ペラ子ちゃん」という話がありますが、この効能はすごい。

  • 誰のことだか特定できなくなる
  • 嫌いな人を憎めないゆるキャラのようにしてしまえる

で、苦手意識が緩和されて、ちょこっとプラスの気持ちに変わることで、関係性も自然に変わっていく…。

これ、わかります!

学生時代、嫌いな先生にはことごとく変なあだ名がついていて、やがて毛嫌いの対象から格好のネタに進化していくんですよね(笑)。

大人になっても、それをやればいいのか。

さっそく数人思い浮かべてみたら、ちょっぴり楽しくなってきました。

また、恋人は「ピタッとくる人ではなくて、スルッとくる人を探しませんか」というのも、実際に結婚生活を体験すると、痛感します。

「スルッ」の心地よさ、ぜひとも手にしたい。

これから何十年後の楽しい暮らしのために、著者おすすめの、「夫婦間では、ホッ・ほかほか・ほのぼの・ほんわかのHの音のオノマトペ」をやってみようかな。

私はスポーツをしないので、そちらのオノマトペの効果は、想像でしかわかりませんが。

少年ジャンプの主人公が、叫びながらパワーアップする仕組みは、非常によく理解できました!

読めば今日から、少年ジャンプで主役を張れそうです(笑)。

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