生き方や考え方の本は数あれど、「オノマトペ」という切り口は初めて。
著者の「オノマトペ研究家」という肩書きが、もう素敵ですよね。
冒頭で、本書のキーワードは、
- ポジティブ
- プラス
- チェンジ
だと書かれている通り、ほんわか幸せムードというよりは、前向きでキラッキラ! な雰囲気です。
ですが、作中にもあるように、オノマトペには「場を和ませる」「ネガティブな表現もマイルドにできる」といった効果があるので、ポジティブすぎるほどポジティブな本文も、柔らかく受け止められました。
ひとつの項目が見開き2ページに収まっていて、ぱらりとめくって気軽に読めます。
例えば、「スタッスタッ」と歩くと姿勢がよくなる、姑には反抗せずに「ふわ~ふわ~」で受け流す。
もっちもちのパスタ、ふわっふわのパンケーキなど、小さい「っ」が入るオノマトペは、食事に誘うのに最高。
子どもみたいに「ぴょんぴょん」飛び跳ねて、心が若返る。
料理はトントントン、パラパラ、くるん、チョロなど、動きをオノマトペに置き換える。
どれも、すぐに試せて、おもしろかったです。
「嫌いな人のあだ名を考えよう」では、例として、否定的に話を言いふらす人は「ペラ子ちゃん」という話がありますが、この効能はすごい。
- 誰のことだか特定できなくなる
- 嫌いな人を憎めないゆるキャラのようにしてしまえる
で、苦手意識が緩和されて、ちょこっとプラスの気持ちに変わることで、関係性も自然に変わっていく…。
これ、わかります!
学生時代、嫌いな先生にはことごとく変なあだ名がついていて、やがて毛嫌いの対象から格好のネタに進化していくんですよね(笑)。
大人になっても、それをやればいいのか。
さっそく数人思い浮かべてみたら、ちょっぴり楽しくなってきました。
また、恋人は「ピタッとくる人ではなくて、スルッとくる人を探しませんか」というのも、実際に結婚生活を体験すると、痛感します。
「スルッ」の心地よさ、ぜひとも手にしたい。
これから何十年後の楽しい暮らしのために、著者おすすめの、「夫婦間では、ホッ・ほかほか・ほのぼの・ほんわかのHの音のオノマトペ」をやってみようかな。
私はスポーツをしないので、そちらのオノマトペの効果は、想像でしかわかりませんが。
少年ジャンプの主人公が、叫びながらパワーアップする仕組みは、非常によく理解できました!
読めば今日から、少年ジャンプで主役を張れそうです(笑)。