感動すること

何だか、頭も体も重い日が続きました。

すぐに疲れるし、一度休むとなかなか立ち上がれないし、うまく思考が働かないのです。

睡眠時間を増やしたり、体をほぐしたり、のんびり過ごしてみたり、友達としゃべったりしたのだけれど。

どうにもこうにも、よろしくない。

本を読むのすらしんどくなってきて、ソファーに腰を下ろしたまま、テレビを点けました。

台風と地震が相次いでいたので、こまめにチェックしていたニュースも、頭に入ってきません。

体が動かないのに、眠ることもできない。

――音楽でも聴こう。

聴くともなく聴いていた私の耳に、中島みゆきさんの「荒野より」が流れ込んできました。

もやもやと重たかった心が、突然、鐘を打つように震えました。

ああ、泣ける。今、私、泣きたい。

じわりと涙を滲ませたまま、西野亮廣さんの「えんとつ町のプペル」を読みました。

ルビッチとプペルの物語を追いながら、ぼろぼろと泣きました。

悲しくて、でも、苦しくて、でもなく。

心を揺さぶられて。感動して。

涙を流し終えると、頭と体の重みが、すうっとひいたのがわかりました。

動けるようになった!

感動するのは、人を揺るがすエネルギーの塊なんですね。

そういえば、ここしばらくは、台風と地震の情報は知っておかないと、と普段よりテレビやスマホを確認していたし。

万が一の備えを整えるのに、忙しかったし。

体も心も、どこか落ち着きのない日々でした。

情報量のインプットとアウトプットが釣り合っていなくて。

自分でもわからないうちに、もやもやしたものを溜め込んでいたのかもしれません。

それが、感動の涙ですっかり流れたようでした。

月並みだけれど、また立ち上がれる心持ちです。

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