一日一発見・6

2021年1月18日(月)

冷え込む朝、再び。路面も、草についた露も、凍っていた。

まんまるの粒の氷って、おもしろい。

濡れたベランダも、ほんのり雪をかぶった遠くの山も、みんな朝日できらきら。

綺麗。クリスタルみたい。

…だけど、あれ? こういうときの例えって、いつもはダイヤモンドや硝子のイメージだったはず。

なぜ今日はクリスタルなのか。一瞬考えて、「そうか、セーラームーンだ」と思い当たる。

幼心に、幻の銀水晶は憧れだったし。この間、映画のポスターを見て、「わあ懐かしいなあ! 大好きだったなあ」なんて回想していたから。

意識のごく浅いところに、クリスタルがあったみたいだ。

2021年1月19日(火)

今日の空は鉛色。まさに北陸の冬という雰囲気。。

だけど何だか、「鉛色」って言うと、気分も重くなりそうなんだよな。

もっと軽やかな感じがいいな…。

そうだ! 「薄墨色」はどうかな?

「今日は薄墨色の空だね」って言うと、墨絵の流れるような筆遣いが想像できる。

芸術的だし、さらりとしていて、いい。ような気がしてきた。

2021年1月20日(水)

夕暮れ、西の空が柔らかいオレンジ色に染まるとき。

東の空は、ピンクと白と水色の淡いグラデーションで、綺麗。

水色の空の中に、ピンクの雲がぽわっと浮いているのが、可愛い。

2021年1月21日(木)

よく行くカフェに、春先からしばらく見かけなかった店員さんがいた。

今日久しぶりにお会いしたら、「髪の毛、色変えました?」って訊いてくれた。

何だかすごく嬉しかった。

好きなメニューとか、滞在時間とか、お店に関係のあることじゃなくて、ただ私そのものの変化を見つけて声をかけてくれたから。

お店対お客から、個人対個人に下りてきたような親しみを感じる。

2021年1月22日(金)

雀の大群がいっせいに飛び立ったのが、忍者がまきびしを撒いたみたいに見えた。

試しに、忍者の目で周りを眺めてみた。

靄のかかる山々は忍者の隠れ里のようだし、和風の家は忍者屋敷だし。

空を飛び回るカラスやトンビは、忍の使い。

景色を見る前提をちょっと変えただけで、異世界が広がるものなんだなあ。

おもしろい遊びを見つけた!

2021年1月23日(土)

人に慣れた野良猫を見て喜びつつ、エサをやる責任について考える長女を見て、思い出したこと。

小学生の頃、集団登校について歩き、帰り道々に家を回りながらエサをもらって帰る野良犬がいた。

お母さんが捨て犬で、人に慣れた利発な犬だったので、「クロ」と呼ばれて町内で可愛がられていて。

息子はおマヌケだけど、決して吠えかからない穏やかで優しい犬で、「プー助」という名前で愛されていた。

誰の犬でもなかったけれど、いつも一緒に遊んでいたし、保健所からは子どもたちみんなで守っていた。

今だったら社会問題になりかねないところだけど、私たちはいつも、プー助がいて楽しくて、幸せだった。

長女の担任の先生は、私と同じ町内の出身なのだけれど、そういえば知ってるかな? と尋ねてみたら、やっぱり知っていた。

思いがけず、昔を懐かしんだ。

2021年1月24日(日)

年賀状の当選番号を見てなかったな、と思い出して、チェックしてみた。

1枚も当たっていなかった。

年々、送りあう枚数は減っているとはいえ、切手シートも当たらなかったのは初めて。

当選自体には、特別に感慨もなかったのだけど。

子どもの頃に、家族総出でプリントごっこで年賀状作りをした1日とか、みんなでコタツに入って当選番号を見てはしゃいだ思い出が、ありありと甦った。

ちょっとしたきっかけで思い出せる幸せな記憶は、大事にしたいなあと思う。

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