辻村深月さんと、寺地はるなさんが、一気に読めるなんて!
なんて素敵なセレクトなんだ!

こちらの本は、シリーズになっているみたいですね。
十代の読者を対象に、恋をメインテーマにして、
各巻のサブテーマに合わせた短編を集めた、アンソロジー。
今回読んだのは『ユレル~恋と家族』。
”恋をしているとき、家族の存在がどんなふうに関わってくるのか”
が描かれている短編たちです。
私自身は、十代の恋愛で、そこまで家族を意識した記憶はないのだけれど。
でも、読みながら思い返すと、
私という人間の、価値観ができあがった根っこは、やっぱり家族なのだから。
恋愛の先には、自分が生まれ育った家族のような形が待っているのだろう。
漠然と、そう信じていた気がします。
結婚してから、だなあ。
家族にも、本当にいろんな形があるんだって、実感としてわかったのは。
私が選んで、作り上げていく家族への愛情や責任を、思い知ったのは。
十代に向けた小説を読むと、まず自分がその年齢だったころに戻って読んで。
ひとしきり味わったあと、今度は親としての目線でも考えるんですよね。
いま読むからこそ、二度おいしい児童文学の世界。
最後に収録されている、寺地はるなさんの作品は、厳密には恋愛とは少し違うのですが。
でも、恋愛にも繋がる、若い世代の人たちに対して
とても大切なことが書かれているので、ぜひ届けたいと思い選びました。
と、巻末の編者解説にありました。
編者の瀧井朝世さんは、こう語ります。
何かを大切に思った気持ち、好きだと思った気持ちは、とても尊くて、豊かな、その人だけのものです。
あなたが何を大切にするか、何を好きかを決められるのは、あなただけです。
自分の心の中の大事な大事な領域を、どうぞ守ってください。
これは…、小説単体でもおもしろい作品だけれども、
編者のメッセージも含めて、文字どおり一冊の本、なのだな。
他のシリーズにも興味が湧いてきました。
瀧井さんが、どんな視点で、その短編たちを選んだのか。
こめられた思いを、知ってみたいです。