走る直感

黒いものが、ばらばらとはがれ落ちていく。
ぐんぐんと風を切るほどに、わたしのからだは透明になる。
そんなイメージで、走っている。

わたしにくっついていた、迷いとか疲れとか。
こころを濁らせて、鈍らせていたものが、
風といっしょに、遠くに飛んでいく。

わたしのからだは、どんどん軽くなり、
こころは空に溶けて、世界はひとつになる。

迷っていたことを、ひとつ、ふたつ、決断する。
なにも考えていなくても、わたしにとっての最善が出る。
脳と皮膚が、つながった感覚がある。

普段、からだだけを動かして、脳を使わない時間は、あまりない。
立ち仕事をしているけれど、からだと同時に、脳もフル回転している。

走るときは、足を前に出すことだけをする。
脳はほとんど使っていない。
だから、直接こころにアクセスしやすい。

からだで感じるものが、そのままこころになり、
こころで思うものが、そのままからだになるような。

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