最初から最後まで、ほぼ母のひとり言で完結した出来事です。
【ぴったりな表現を考える】
娘が、ヘッドホンをつけて動画を観ていたときのこと。
唐突に入ってきた広告の音量が、めちゃくちゃ大きかったらしく、
「耳が…耳が…っ!」と、悶えておりました。
で、眺めていた私は「そういうときって、なんて表現がしっくりくるんだろうね?」と、のんきにひとり言。
“鼓膜が破れそうな”とか“耳をつんざくような”とは、表現はするけれども、あまり話し言葉には乗らない感じがします…。
娘の悲痛な「耳が…!」に続けるとしたなら。
耳が痛い。耳が破れる。耳がちぎれる。耳が破裂する。耳が裂ける。耳が吹っ飛ぶ。
――なんだか、羅列していくだけで、耳に怪我をしたような気分になってきました。
まさに痛い。
私は何もしていないのに、想像だけで痛いなんて、理不尽です!
自力で考えるのをやめて、音が大きくて耳が痛い感じの表現、ちょっと調べてみよう。
しかし、Google検索では「音響外傷」という症例が先に出てきてしまって、読めば読むほど余計に痛い!
#気分が痛い
こうなったら、頼みの綱はAIチャットくんです!
“「耳がキンキンする」「耳が鳴る」「耳がピリピリする」と表現することがあります。”
“「耳がギシギシする」「耳がぴりぴりする」「耳が痛くなる」などの表現もあります。ただ、その人によって感じ方が異なるため、いろいろな表現が存在すると思います。”
と返ってきました。
#さすがです
擬音のほうが、表現しやすいのかなあ。だとすると…
耳がドンドン痛む。耳がガンガンする。耳がビリビリする。あっ、耳がしびれる、もアリかな?
耳が…耳が…と考えているうちに、頭の中が完全に、耳なし芳一でいっぱいになってきました。
#なんでだ
#もはや耳を失っている
#究極に痛い
なので考えを深めるのをやめて、娘に「どれが合ってる?」と訊いてみました。
「――破れる、じゃない?」
心底どうでもいいよオーラを放ちながら、それでもいちおう答えてくれる、優しい娘でありました。