わたしが文章を書くのに、必要なもの。
ひとりの時間と、ほどよい空腹と、眠ること。
書くことの元になる出来事や、根っこの感情などは、
人と一緒に生きているところにあるのだけれど。
書くということは、文字にすらなっていないものを、言葉にすること。
ちいさなかけらを、見失わないように拾い、読むかたちを作る。
気を抜くと、すっと消えてなくなってしまう泡のような。
この感覚をとらえるには、多大な集中力が必要なので、ひとりの時間がいい。
言葉をやさしく美しくふくらませてゆくには、余白が必要なので、
頭も体も、満腹でないほうがいい。
すこし飢えているぐらいが、言葉を編む繊細さを持ち続けることができる。
まっとうに言葉を使うためには、体力がいる。
選ぶ。決める。書く。消す。また選ぶ。決める。書く。
ひとつの言葉を、自分にとって適切な場所に置いてゆくには、
心も体も、健やかであること。だから、きちんと眠る。
わたしが文章を書くのに、必要なこと。
みんなと生きながら、ひとりの時間を作ること。
栄養をとりながら、心地よい空腹を保つこと。
夜を楽しみながら、しっかりと眠って、朝起きること。
