文章を書くとき、私たちは無意識に、たくさんの選択をしています。
頭に浮かんでは消える、無数の思考のなかから、
どうしてこの言葉を、いま、文章にしたんだろう。
考えてみると、書かれて目の前にある言葉との関係って、一期一会だと思うのです。
そのときの気持ち、思考の流れ、選んだ言葉の温度感。
すべてが重なった一瞬の組み合わせで、一度きりの言葉たちが、文章になる。
文章という形をもった言葉は、自分自身に届く瞬間がある。
誰かの心に、そっと触れる日もある。
だから、私にとって、文章は「対話」なのです。
書くときはひとりでも、
言葉はいつだって、誰かに届く可能性を持っている。
誰かに届く、そのときのために、
私は「整える」ことを、大切にしています。
対話って、キャッチボールみたいなものですよね。
投げたボールが、相手に届くか。
痛くない速さか、受け取りやすい高さか。
文章も、同じなんです。
ありのままを書いた言葉に、少しだけ手を添えて、より届きやすい形にする。
文章を整えるときに、よく耳にする言葉が、
「添削」「推敲」「編集」。
この3つの視点、私はそれぞれ使い方が違うので、
次は、その話を書いてみますね。