自分の書いたものを「読み返す」って、ちょっと不思議な感覚です。
私が書いたはずなのに、まるで誰かの言葉みたいに新鮮に感じたり、
思っていたよりも、ずっと深い意味のある言葉だった、と気づいたり。
書いたときには気がつかなかった、気持ちや視点が、時間をおいて、ふっと見えてくることがあります。
「読み返す」と、見えてくるもの
たとえば、日記。
投稿しないまま、保存していた下書き。
ノートにこっそり綴った1行。
そのときは、ただ気持ちを吐き出すように書いたものでも、
あとから読み返すと、当時の自分のがんばりや、やさしさに気づけることがあります。
「あのときの私は、あれでよかったんだな」
「ちゃんと向き合おうとしてたんだな」
そんなふうに、過去の自分を理解したり、受け入れたりできる時間になるのです。
「読み返す」も、書くことのうち
文章は、書いたら終わり、ではありません。
大切なアルバムのように、ときどき読み返してあげると、あなたの言葉が、少しずつ育っていきます。
気づけなかった表情、忘れていた願い、手放したはずの痛み。
読み返して、そっと浮かびあがってくるものがある。
書くことは、自分との出会い直しでもあるのです。
未来の私に、言葉を贈る
落ち込んでいるとき、誰かの言葉に救われた経験があるように。
自分の言葉も、自分を支えてくれることがあります。
日々の中で、少しずつ綴った文章が、「だいじょうぶだよ」と、そっと寄り添ってくれる。
書き続けてきた、目に見える文章の数が、「ここまで来たね」って、心から労ってくれる。
あなたが書いた言葉は、いつか必ず、自分のいちばんの味方になります。
ワーク:自分にありがとう日記
①今日の自分に「ありがとう」と言いたい出来事を、1つ書き出してみましょう。
例:「あのとき穏やかに話を聞けた」
「疲れていたけど洗濯できた」
「出かけてみたからいいことがあった」など
②その行動ができた理由を一言、添えてみてください。
例:やさしさ、努力、習慣、気配り、タイミング、気づき など
③1週間ぐらい経ったら読み返して、感じたことをメモしてみましょう。
例:私、こんなふうに動いてたんだな。
ありがとうって書いた自分に、ありがとう。
書くことと、読み返すことは、ふたつでひとつ。
書き手としての自分と一緒に、読み手としての自分も、じっくりと育てていってくださいね。
