娘が、旅のおみやげに、ガラスペンを買ってくれました。

ガラスペンという存在そのものが、美しくて素敵だなあ…とは思いつつも、
いまの私の日常だと、ほとんど出番がなさそうで。
書く手間を楽しめる自信がなくて、眺めるだけの存在だったのです。
それを知ってか知らずか、おみやげという名目で、私の人生にガラスペンを贈ってくれた娘。
わくわくと、開封してみました。
綺麗な青いペンと、深みのある青いインク。
おそるおそる、ペン先を沈めます。

ペンの溝に沿って、インクが吸い上がる様が、美しい。
はじめての文字は、思いのほか、くっきりと。

何度か書くうちに、角度と力加減が、少しずつわかってきました。
なんて滑らかで、気持ちがいいんだろう…!
色鉛筆のように、塗りつぶしてみたら、
意図せぬグラデーションができました。

ぐしゃぐしゃと書いただけの線が、海みたいな青になりました。
ゆっくりとペンを動かす時間は、文字を書いているのに、
まるでアートを生み出しているような気持ち。