走るとき、しっかりと地面を踏むようにしている。
足の指のつけ根と、かかと。
左右に偏りが出ないように、気をつけながら走る。
足首や膝を痛めないように、バランスよく体重をかける。
うまくできるときと、できないときがある。
一歩ずつ、足の裏で地面を感じて走る。
人魚姫を思い出した。
彼女は、人間の足を手に入れるかわりに、
歩くたびに、ナイフで突き刺されるような痛みが走るのだという。
この一歩一歩が、痛みに抉られるだなんて。
わたしには、とても耐えられそうにない。
そうまでして会いたいひとが、わたしにはいただろうか。
いた、と思っていたし、いたのかもしれないけれど、
痛みで心折れる結末しか、想像できない。
童話のヒロインには向いていないらしい。
マラソン大会本番には、旦那さまが応援にきてくれる予定なので。
ハッピーエンドに向かって、走りきろうと思うのだ。
