長女が音読の宿題で読んでいたお話です。
思わず聞き入って、二度読みしてしまいました。
生き物とロボットの違いは何なのか、「生きている」とはどういうことなのか。
その疑問を、本物のイヌとイヌ型ロボットとの特徴を比べながら、「つながり」をキーワードに紐解いていきます。
小学6年生向けなので、とてもわかりやすい文章です。
ロボットに入れた電池は電池であり、ロボットの一部になることはないけれど、私たちが食べたごはんは栄養素として吸収されて、体の一部に変わる。
その一節を聞いたときに、なるほど、と興味を持ちました。
言われてみれば、ロボットにはない、外とのつながり方だなあ、と。
ほかにも、成長し変化していく生き物の一生のつながりや、地球上の命の始まりから未来への命へとつながる歴史の話があって。
どのつながりも、確かに生き物特有ですね。
この論説文、最後はこのようにしめくくられています。
生き物は、外の世界とつながり、一つの個体としてつながり、長い時間の中で過去の生き物たちとつながるというように、さまざまなつながりの中で生きていることが分かりました。
このつながりこそが、生き物の生き物らしいところであり、ロボットとのちがいです。
あなたは、今日もあなたであり、明日もあなたであり続ける、たった一つのかけがえのない存在です。
と同時に、あなたは過去の全てとつながり、未来へもつながっていく存在なのです。また、地球上の他の生き物ともつながっています。
そう考えると、今、あなたが生き物として生きていることが、とてもすてきに思えてきませんか。
そして、自分自身のことが大切であるように、他も大切であるという気持ちになりませんか。
子どもたちに向けた、教科書らしいまとめですが、「生きる」ことの核心を突いています。
ただ「命を大切にしよう」「かけがえのない命だから」と、感情論だけで語るのではなく、理論として筋道立っているので、大人でも納得できますし。
思春期を迎えて、「気持ちはわかっているけれど素直に受け止められない」ような子どもたちにも、響きやすいのではないかな、と思いました。