「あ、パフェの人だ」と思って手に取ったのですが、一度は棚に戻した1冊です。
田舎町の義実家で同居を頑張っている嫁としては、「言い返す技術」って興味はある(笑)。
でも人と衝突するのは好きじゃないし、口喧嘩も苦手だし…これまで通り、当たらず障らず受け流しておけば…。
そんな私が、やっぱり読んでみようと思ったのは、この本の目的が自分を守ることだと知ったからです。
相手に言い返さないでやり過ごしていれば…
表面上は波風の立たない穏やかな人間関係がキープできます。
しかし…あなたの心の中はどうでしょうか?
常に穏やかで満ち足りていますか?
そんなことは絶対にないはずです
痛いところを突かれますね…。
確かに、その通りなんですよね。
作中の解説にもありますが、つらい体験を受けっぱなしにしておくと、幸運が目の前に現れたときも、尻込みして行動を起こせなくなるそうです。
自分が受けた不幸に対して、「自分は能力がないからそれだけの不幸を受けてしまったんだ」と思い込むようになる。
そうして自己肯定感が下がっていったら、自分を大切に思えないし、周りからもその程度として扱われる未来しかありません。
そんなのは嫌だ!
あなたが周囲から不当な扱いを受けることなく、幸せな毎日を送っていくためには、ある程度の抵抗は必要なことだと言えます。
自分を守るために言い返すときの、基本ルールが「しっぺ返し」だそうです。
自分からは攻撃しない。ただし、攻撃されたら一度だけ攻撃し返す。
これだと、不毛な争いにはならずにすみそうですね。
細かなテクニックが、心理学的にわかりやすく解説されていて、今すぐ試してみたくなります。
が! 私はまず、勢いに飲まれて動けなくなってしまうことがほとんどなので、落ち着くことが優先。
口ゲンカに勝つのは、自分の口数が多いこと、そして相手の口数を減らさせること。
強い相手が、必ずしも正しいわけではないのだと知った上で、
- 深呼吸
- 背筋を伸ばして、目線を上に
- しゃべりも、動きも、ゆっくりと
相手のペースに巻き込まれず、穏やかに応じる。
想像してみたら…言い返せなくても、堂々とした態度をとれるだけで、ずいぶん自分に自信を持てそうな気がしました。
「適度なストレスは、心を健康にするもの」
理不尽に怒られるつらさや、正論だけで寄り添ってもらえない悲しさを知っているからこそ、言い返す技術を身につけても、相手を論破するためには使いたくありません。
自分を大切にしながら、よいコミュニケーションができるように。
言い返すことは、目的ではなく手段であると、心に刻んでおきたいものです。
この本は、
あなたが、周囲と少しぐらいケンカをしながらも仲良く暮らせる。
それがあなたの人生を一番楽しく、豊かにするものだと僕は思います。
そんな暮らしへの、ひとつの道しるべでした。