家の中で雨の音を聴くのは、好きです。
リズムが心地よいな、と思います。
けれど、雨の日の夜中に、風の音がひゅうひゅうと混じってきたときは、何とも言えない不安な気持ちになりました。
雨も風も自然の音なのに、どうしてだろう。
どちらも、そのものに音はありません。
壁や扉や、木々や土に触れると、音が聴こえる。
私にとって、心地よい音と不安な音の違いは、何だろう?
私が好きな雨風の音は、
- 室内で聴く、静かな雨の音(さあさあ、しとしと)
- 外で聴く、優しく木の葉を揺らす風の音(さわさわ、しゃらしゃら)
- 開けた場所で聴く、風が吹き抜ける音(ひゅうん)
- 外で聴く、傘に小さな雨粒が落ちる音(ぱたぱた)
不安になる雨風の音は、
- 室内で聴く、吹きつける風の音(びゅうびゅう、ごうごう、がたがた)
- 室内と外で聴く、強い雨の音(ばちばち、ばしゃばしゃ)
- 建物の隙間で聴く、風が吹き抜ける音(ひょうっ、ひゅるひゅる)
――こうして考えてみると、基本的に、大きな音は好きではないみたいです。
でも、風が吹き抜ける音に関しては、場所によって受けるイメージが違うんですね。
海辺とか草原を抜ける風は、何にも遮られず、ありのままの自由な感じがするけれど。
ビルの合間を吹く風は、何だか不自由で、人造物なんて壊されてしまいそう。
「自分に危険が及びそうかどうか」が、ひとつの境界線になっているのかもしれません。
ものすごく生物的。
虫や泥汚れが苦手で、自然との共生からはほど遠いと思っていましたが。
そんな私でも、やっぱり自然の生き物の一部なんだよな…と、実感がこみ上げてきました。