長男は、鉛筆を限界まで使います。
――物を大事にするのは、いいんだけれどね?
キャップに本体が埋まって取れなくなるまで、はたまた鉛筆削りに詰まらせるまで使うのは、やめようよ…。
で、ようやく新しい鉛筆に入れ替えてくれたので、ちびた方を処分しようと思ったら、
「これは取っとくの!」
だそうです(笑)。
ちびた鉛筆コレクションの一部。
まったく、もう…何にロマンを感じているのか、さっぱりわからない息子です。
そう、苦笑ぎみに思っていたのですが。
デイサービスの先生が、
極限まで使用されたチビ鉛筆を見せてくれて、あまりのミニミニに、私がとても興奮してしまいました。
とても誇らしげな表情をされていました。物を大切にする気持ち、とても素敵です。
と言ってくださって、ハッとしました。
これこそ「共感」じゃないか、と。
省みれば、口では「すごいね、よく使ったね」と言いながら、私の気持ちは一緒に盛り上がってはいなかったなあ。
長男の誇らしげな表情を見ることもありませんでした。
その先生はいつも、長男のことを楽しいね、おもしろいねと言ってくださっていて。
「すっごくいろいろ持ってそうなので、それを引き出してみたくて、楽しみで!」
母親が「もう、ほんとに…」と言いたくなるようなときでも、からからと笑ってくれるんです。
私にはない温度感で見守っていただいて、感謝しています。
次に長男のチビ鉛筆が出てきたときには、一緒に興奮してみようと、ひそかに思っている私なのでした。