我が子を「見守る」って、難しいと思います。
よその子だとそうでもないのに、こと我が子となると。
手や口を出しすぎず、見放しもせず。あえて失敗も経験させながら、でも生命の危険はないように。
見守りのコツがあるなら、知っておきたいですよね!
著者は、
「見守る子育て」とは、簡単に言えば、子どものありのままの姿をよく観察し、その姿を認めて見守り、その子本来の力と可能性を引き出し育むことです。
と述べ、「自分で学べる子に育つ3原則」を示しています。
- 「自信」を持つ…子どもが「ありのままの自分でいい」という安心感を持っている状態。自信のある子は、自分軸をどんどん伸ばしていける。
- 「学びの技術」を得る…学びの成果は学び方を知っているかどうかで大きく差がつくので、早い段階から教えておいてあげる。
- 「習慣」を身につける…学ぶことを「当たり前」にし、頑張らなくても学び続けられるようにしてあげる。
本書では、この3原則を基に、「遊び」「家庭での学び」「集団生活での学び」「健康」「人間関係」「親子が認め合うために」の項目に分けて、日常生活にすぐ生かせる具体的な声かけや関わり方を紹介しています。
見守る余裕
読んでみて、いろいろ参考になりましたが。
我が家の状態と重ねて共感したのは、「子どもの『休みたい』を受け止める」です。
よく、「一度休むとサボりぐせがつくのでは……」と心配する親御さんがいますが、そうやって休んだからといってサボりぐせに直結することはないということは、はっきり言えます。
(中略)
休むことで「サボりぐせがついた」というような状態になってしまうのは、休んだことが原因ではなく、「ダメだったね」と評価されてしまった(自分でしてしまった)ことが原因です。
(中略)
不登校や引きこもりの原因を一概に言うことはできませんが、ひとつ言えるのは「いつだって戻れるよ」「大丈夫だよ」ということを言ってもらえなかった、もしくは自分でそう思えなかった子どもは、普段の生活サイクルに戻るきっかけを失って戻れなくなってしまう、ということです。
こうやって見守るには、余裕がいる。と実感しました。
少なくとも、自分で自分に余裕があるかないか判断できる程度には、余裕が必要なんです。
母親がイライラしがちなことについては、こちらをはじめ、いろいろなところで「頑張っている証拠」だと言われているけれど…。
「母親がガミガミ言いがちな理由を知る」のコツで、小川さんの、
母親は、子どもを授かったときから命がけで子育てをしてきたということがその理由です。
(中略)
常に最悪の状態を考え、問題点を素早く見つけることでわが子を守り続けているのが、小さな子どもを抱えている母親です。
母親というのは、言うなれば「問題点を見つけるプロフェッショナル」なのです。
という言葉を読んで、すとんと腑に落ちましたね。
理由を知った上で、
「そのエネルギーは必ず、『見守る』方向に変えていけます」
と力強く背中を押してくれます。
また、
「なぜ」はうまくいったときに使います。
「なんでうまくいったの?」
失敗を注意するときには「何」を使います。
「宿題やってないね、何があったの?」
このコツは、てぃ先生も同じことを言っていました。
坪田さんの「客観的で中立的なフィードバック」にも通じるように思います。
3人から同様の言葉が語られているということは、年齢問わず使える技なのではないでしょうか。
ほかにも、
- 「聞く力」は「最後まで聞けた経験」を積ませて育てる
- 明日の起床時間を決めてから寝る
- うがい、手洗い、歯みがきは親も一緒にする
- 迷ったときは「子どもの心の健康」を優先する
- あいさつはまず家庭の中で始める
- 「ありがとう」はプロセスまで想像して言う
など、さっそくやってみたいコツがたくさん。
子どもたちが、自分から人生を楽しみにいくような、意欲的に生きる力を育んでくれたら、嬉しいです。