長女は、正義感が強いです。
小さい頃から、間違っていることは、だめ、とはっきり言う子でした。
散歩の途中に、自転車に2人乗りしている高校生を指さして「だめだよー!」と叫んで、親の方が焦ってしまうような(笑)。
そんな気質もあってか、対人関係では、あまり物怖じしません。
たとえばコンビニに行って、品物が1つ入っていなかったり、おつりが少なかったりすると、私は店員さんに言えずに帰ってくるタイプです。
娘は「違ってました!」「足りません!」と、いったん店を出たあとでも、言いに戻れます。
初めて会った人と話が弾んだり、気軽に遊んだり、私には高いハードルですが、娘は出会ったばかりの子と走り回って遊び「今、友達になったの!」と笑っています。
そこだけ見ていると、たくさんの友達に囲まれて、クラスの中心にいそうな感じですが。
一方で、友達が意地悪されていると怒れるのに、自分が嫌なことをされても怒れなかった娘。
どの友達とも、そつのない距離感で向き合っていた娘、だったのです。
一歩踏み込んで
長女は昨年、登校時間のほとんどを保健室で過ごしていましたが、そのときに、毎日必ず顔を出してくれるお友達が、何人かいました。
調子がいいときは笑顔で会話もしますが、悪いときは、うずくまって返事もしない娘。
私も何度かその様子を見ましたが、せっかく声をかけてくれているのに、申し訳なくなるぐらいの閉じこもりっぷりでした。
学年が変わり、教室に行き始め、今でも行けたり行けなかったりと、波があるのですが。
少し遅れた時間に、学校に送っていくと「あー! ○○ちゃん来たー!」と出てきてくれるお友達は、いつも同じ女の子たちです。
娘が調子よく一緒に玄関をくぐるときだけでなく、校門で行き渋っているときも、決して無理やりではなく、すごくいい距離感で「行こーよ」と声をかけてくれます。
娘も「嫌だ、行きたくないし」と口に出して言えていて、お友達も心得たように「えー、じゃあ荷物運ぶよー?」「こちょこちょの刑ー」と絡みながら、娘がごねるのにつきあってくれていて。
最終的には、笑顔で「もー! 行くってば!」と、連れ立って教室に向かいます。
本当にしんどいときは、そっとしておいてくれているようです。
先生とも友達とも、そつなく向き合っていた長女が、一歩踏み込んでいるように見えて、とても嬉しくなりました。
友達に甘えられる幸せ
思い返せば、私が小学生のときは、そんなふうに、友達に甘えることはできませんでした。
うまく距離感がつかめなくて浮いてしまったり、思い込んでがんじがらめになってしまったり。
楽しい話題や同調できる話題なら、いくらでも楽しめたし、むしろ今までそんな相手にすら出会えていなかったので、一緒に盛り上がれる子が親友だと思っていたぐらいで。
娘のように、楽しい気持ちもしんどい気持ちも口に出せて、受け止めてもらえるなんて、信じられませんでした。
そんな長女が、素敵だなあ、幸せだなあと思いながら、今日も見守っています。