「のび太」という生きかた(横山泰行)

みんなで「ドラえもん」を観ていたとき、長女がつぶやいた台詞。

「のび太くんてすごいよねー。私、あんだけ毎日殴られて叱られたら、自殺してるわ」

言われてみれば、確かに。のび太くんて、実はすごい人なんじゃないかな。

「そういえば、本屋さんで、のび太的な生き方の本があったと思うよ! 今度お母さん買ってくる!」

…というわけで、買ってきました。

14年も前から、あった本なんですね。

「のび太は人生の勝ち組」

読んでみて、なるほどと納得。

大長編の冒険では、彼は友だちに信頼され、ときにはドラえもんに代わって集団の中心人物としてリーダーシップを発揮することもあります。

勉強や運動は確かに苦手ですが、どんなにドジでノロマであると言われても、集団のかけがえのない一員として認められています。あのジャイアンやスネ夫も、のび太を大切な仲間として、遊ぶときには必ず声をかけています。のび太のママや先生からは、いつも叱られていますが、のび太を見離したことは一度もありません。

一番の成功は、念願叶って、みんなのマドンナ・しずちゃんを生涯のパートナーとして射止めたことではないでしょうか。

本当だ、その通りですね!

で、そののび太くんの成功のメソッドが何なのかというと。

実にわかりやすく、37項目にわけて書いてありました。

ひとつひとつは、シンプルなことや、簡単なことや、あたり前のこと。

でも、のび太くんのような、優しさや意志をもって、それらすべてを体現している人は、自分も含めて、なかなかいないと思いました。

しずちゃんのお父さんが、結婚前夜に彼女に言った言葉は、私も覚えています。

「あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。

それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね」

この本を読むと、のび太くんの魅力がわかり、しずちゃんのお父さんの言葉に、いっそう重みを感じられます。

長女も手にとって、めくっていました。

子どもが読んでも、わかりやすい文章なのも、いいですね。

親子で、のび太くんのように生きてみたら、楽しいかもしれない、と思いました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする