【エッセイ】反抗期と母

息子が、絶賛反抗期だ。

毎朝、気持ちよく送り出したくて、
少しでもポジティブな気持ちを感じてほしくて、
私は、私のごきげんを整えて、彼に声をかける。

昔より寝起きはよくなった。
学校でのさまざまな問題にも、しかるべきサポートがつき、
息子は、自分のペースで学校生活を送れるようになった。
夢中になれるものにも出会えた。

彼は、確実に成長している。
私には見えないところで、いろんなことを学び、考え、生きている。

家族が、おおむね爽やかに迎えた朝。
息子が母に、やたら悪態をつく日がある。

そんな日もあるよね。
理解はできても、イラッとする瞬間もある。

だけど私は、引きずられない。
私のごきげんは、私が決める。

あなたの虫の居所が悪いからって、
私には何の影響もないですよ。

何事もなかったような顔で、私は私の朝を過ごす。

これができるようになってから、
息子の思春期特有の不機嫌は、定期的にやってくるものの、
長引くことはなくなった。

そばにいるけれど。
あなたのことが大切だけれど。

あなたのごきげんは、あなたの責任。
私のごきげんは、私の責任。

「八つ当たりしてもいいけど、お母さんはいりませーん」
と、私は笑う。
息子は、ふんと鼻を鳴らす。

そんな小憎たらしい表情も、似合うようになったよね。
大きくなったね、可愛い息子よ。

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