キャラメルひとつ

自転車で走っていたら、前から顔見知りのお母さんと、年長さん・年少さんの姉妹が歩いてきました。

お姉ちゃんが真っ先に気づいて、「おーい」と手を振ってくれます。

いつもニコニコとお話ししてくれる、可愛らしい姉妹です。

「見て見て!」

あーっと口を開けて、「キャラメル! おいしいよ!」と教えてくれました。

見ているだけで幸せになるほどの、満面の笑みで。

「よかったら、どうぞ」と、お母さんが、キャラメルをひとつ、手のひらに載せてくれました。

「ありがとう」

お礼を言って、いただきました。

バイバーイ、と再び手を振って、姉妹が軽やかに歩き出します。

私も、再び自転車を漕ぎます。

ただそれだけの、小さな出来事なのですが。

やけに心を温めてくれる、キャラメルでした。

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