優しい長男

うちの長男は、基本的にあまりしゃべりません。

友達や姉弟と騒いでいるときは、それはもうやかましいのですが。

お絵描きや工作をしたり、テレビを観たり、ごはんやおやつを食べたり、おもちゃでひとり遊びをしたり…何かに集中しているときは、ずっと無言です。

また、今日あった出来事を話すのも、あまり得意ではないようで、よほど印象に残ったこと以外は「忘れた。知らん」と言います。

自分の中身を言葉で表現するのが、苦手なのかもしれません。

そのせいもあってか、宿題につまづいたり、遊びや生活でうまくいかなかったりすると、すごく怒ります。

弟に手は出しませんが、母や姉に八つ当たりしています。

自分が集中しているときは、返事もしないし、必要なことでも動きません。

その傍らで、宿題をしながら私を手伝い、次男のお世話をしてくれる長女。

年齢も個性も違うと、頭ではわかっているのですが、小学校に上がってからというもの、つい長男にイライラしてしまうことが多かったのです。

「お母さんは怒ってばっかり!」

長男にそう言われたとき、ほんとにその通りだと思いました。

自分でも嫌になるぐらいでしたから。

それで「私はイライラしない、ニコニコママになる」と決めました。

しばらくは「ああ~、また怒ってしまった」ということもあったのですが。

私もイライラしたら距離を置くようにしたり、自分の好きなことを楽しむようにしたりしながら「必ず、みんなが楽しく心地よい家を作る母になれる」と決めていたので、信じて過ごしました。

決めてから1ヶ月

むやみにイライラすることが、減りました。

距離の取り方や、自分の育児コンディションの整え方も、少しずつわかってきました。

そして長男も、癇癪が少なくなったように感じます。

ここ3日ほどは、姉より先に次男のお世話をしてくれたり、洗濯物を干すのを手伝ってくれたり、いちばんにお片づけをしてくれたり…

長女と、思わず「どうしたん!?」と顔を見合わせてしまうぐらい、優しい長男です。

成長したんだなあ、と思いましたが。

ふり返ってみれば、もともと気持ちの優しい子でした。

お花をつんで帰ってきてくれたり、絵や折り紙をたくさんプレゼントしてくれたり。

自分より小さい子には決して手は出さず、慣れたお友達と喧嘩になっていたのも3歳ごろまで。

どんなに理不尽なイライラで怒ってしまっても、変顔で場を和ませてくれるような。

どうにもならない感情を、他人にぶつけることなく、ひとりで部屋にこもって泣くような。

…すごく、優しい子なんです。

大きくなるにつれ、憎まれ口が増えたり、態度が悪くなったりはしましたが、そうさせていたのは、私かもしれません。

本来持っている優しさを、私はようやく、引き出せるようになっただけなのかもしれません。

子どもが本来持っている力を引き出す

子どもを育てる上で、大切なことですよね。

長男だけでなく、長女も、次男も、それぞれに持っている個性があり、よさがある。

親の仕事は、それを伸ばすこと。

枠にはめることでも、潰すことでもなく、引き出して伸ばしていける母になろう。

そう思いました。

改めて気づかせてくれた息子に、ありがとう。

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