雨の図書館

昼下がり、久しぶりに図書館へ行きました。

平日なので、数人の大人しかおらず、心地よい静けさ。

換気のため窓や扉は開け放たれていますが、大通りからも少し奥まっているので、空気もしんと眠っているかのようです。

外に向かって置かれている、一人掛けのソファーにもたれ、ゆっくりとページをめくりました。

さっきまで晴れていた空に、薄墨色の雲が広がってきています。

やがて遠くからごうんごうんと雷の音が響いてきて、雨が降り始めました。

昨今の通り雨らしく、あっという間に激しさを増し、雨粒がばちばちと地面を叩きます。

家にいると「ひどく降ってきたなあ」と感じて、子どもたちの帰りが心配になるような雨です。

ところが、図書館にいると、その雨音すら、どこか遠い世界のもののように聴こえるのです。

不思議な感覚。

建物が大きかったり頑丈だったり、理由はちゃんとあるのだろうけれど。

図書館の静謐さは、自然の荒々しい音さえも吸い込んで、なお揺らがない。

私には、そんなふうに思えました。

雨の日の図書館も、素敵です。

また、ぼんやりと本を読みに行こう。

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