朝、目覚ましが鳴ると、必ずスヌーズ機能を使ってしまう。
眠いのである。もう少しだけ、寝ていたいのである。
たくさん寝た感を演出するために、わざわざ早めの時間に、アラームをセットしている。
けれども、実際のところ、
「起きなくちゃ…でも、もうちょっとだけ…」
などと、中途半端な気持ちで二度寝をするのは、まったくよろしくない。
そうは言っても寝過ごせはしない、という緊張感もあるし、
起きられない自分に罪悪感もあるし、結局は休まらないため、
二度寝ではなく、半起きの状態でしかない。
心地よいまどろみとはほど遠い、緊迫したまぶた裏の戦い。
不毛な抵抗に疲れたので、今朝は、寝ながらの深呼吸と、ストレッチを取り入れてみた。
ゆっくりと息を吸って、吐く。手足をぐぐっと伸ばす。
足首や肩を回したり、寝返りついでに腰を回したりする。
目を閉じたまま、体に意識を集中させると、
「私はいま、健康にいいことをしているのだ」
という気持ちになって、不思議と満足感が高まるのである。
目を閉じていても、体は起きているから、寝過ごす心配もない。
緊張感と罪悪感を抱えたまま、二度寝を試みるよりも、
いざ起きたときの気分が、断然いい。
朝のスヌーズ時間は、二度寝ではなく、目覚めの儀式に使ってみようと思う。