【エッセイ】なんとなくの結論

なんとなくの結論で、文章を締めくくるのって、楽なんです。

なんとなく、まとまるし。
それっぽく、完成するし。

だけど、つまらん! のです。

思うままに書くと、とりとめなく思考が展開します。
無関係な分野に飛んでいったり、予想もしなかった景色が見えたり。
それが、楽しいのです。

でも、とりとめがないということは、
いつまで書いても終わらない、ということ。

終わりがないのは、困るんです。
私、生きている人間なので、24時間365日ずっと書くだけ、は無理です。
おいしいごはんだって食べたいし、ぐっすり眠りたい。
トイレにも行きたいし、おふろにも入りたい。
家族や友だちと過ごす時間も、本を読む時間もほしい。

そんなとき、思考が途切れずに切り替わらないままだと、
人生のほかのことが、ゆっくり楽しめないじゃないですか。

だから、文章を締めくくります。
現時点での所感をもって、いったん筆を置くのです。

私、何回でも同じことについて、書いていると思います。
それは、いったん区切った物事を、
あるときは続きから、またあるときは別の角度から、考えているから。

なんとなくの結論は、どこまでいっても、なんとなくです。
今この瞬間の結論であって、私の人生の結論ではない。
しかし、結論のひとつには違いない。

なんとなく締めくくった、ということの自覚がある。
これが、大事なような気がしています。

書いていてなお、思考停止しないために。

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