もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら(神田桂一・菊池良)

文豪たちの文体模写で、カップ焼きそばを語る本。

村上春樹から始まり、太宰治や夏目漱石といった、教科書に載るような文豪から、
俵万智、糸井重里、西尾維新、さくらももこ、
星野源、ヒカキン、尾崎豊…挙げればきりがない数。
J・K・ローリング、シェイクスピアなど海外勢も。
時代もジャンルもさまざまに、それぞれの文体(を模写した語り口)で描かれる、カップ焼きそば。

人だけでなく、漫才だったり、求人広告だったり、自己啓発本の型、迷惑メールの型。
雑誌風も種類が多くて、POPEYE、VERY、暮しの手帖などなど。
ヴィジュアル系とか、国語の問題とか、変わり種もたくさん!

ありとあらゆる角度から、カップ焼きそばについて書かれた、素晴らしい本ですよ。
これだけアイデアを集めたのも、実際に文体模写で書いたのも、
大真面目に紙の本を作ったのも、偉業だと思う。

ずっとおもしろいんだけど、本を閉じたら詳細はすっかり忘れるような。
そしてまた読んで、二度も三度も笑えるような。

カップ焼きそばのごとく、日常的に定期的に消費されるエンターテイメントを、
ぎゅっと詰めこんだ、素晴らしい本だと思うのです!

おまけに、各種有名メーカーの、カップ焼きそばの作り方を、
ただそのまんま本に載せた章まである。
紙の文庫本で読むの、めちゃくちゃシュール(笑)。

大真面目な文庫本カバーをかけて、大真面目な顔で、
仕事の合間をぬって、カップ焼きそばの作り方を読む。

「もし二宮金次郎が『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』を読んだら」

そんなどうでもいい演出を、全力で行い、楽しく読みました!
なお、何もない床でつまづき、転びかけましたので、
室内であっても、歩き読みはおすすめしません!

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