【noteエッセイ】すてきな世界

雲がたくさんある日が好きだ。

空が覆われているのではなく、浮かんでいる数が多いのがいい。

それを、子どもたちと見上げながら、

「あれ恐竜みたいな形!」「ワニの口!」「いや、サメ!」

「あっちはドラゴン!」「えっ、どれ?」

と、いろんな形を探すのが好きだ。

恐竜が好きな兄は、なんでも恐竜に見立てる。

動物に興味のある弟は、ウサギ雲だのカメ雲だのを見つけてくる。

私は、山に覆いかぶさる巨人や、大きなお城や、ファンタジー世界に飛んでいく。

それぞれが、それぞれに思いつかないような形を見つけてきては、嬉しそうに語り合う。

同じ空の下で、私たちはまったく別の世界を見ていて、それなのに同じように笑っている。

あたり前のように、幸せをともに味わっている。

これがきっと、多様性といわれるものなのだろう。

素敵な世界だな、と思うのである。

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