【noteエッセイ】五円の御縁

移動販売車のお兄さんから、おかずを買いました。
お支払いをしたら、お釣りをもらったあとに、お兄さんが笑顔で、五円玉を一枚、差し出してくれたのです。

「御縁がありますように! ありがとうございまーす!」

予想外の出来事に、私も思わず笑顔になりました。
また買いにこよう、って思いましたよね。

小さな五円玉ひとつで、こんなに心があたたかくなるなんて。

この五円が、ただのおまけじゃなくて、
「今日、あなたに会えてよかった」
という気持ちを、包んでくれたものだからですよね。

やさしさって、大きさとは比例しない。
どんなに小さくても、心から「届けたい」って思ったとき、相手の心の奥にまで、自然と届いてしまうもの。

いただいた五円玉を、そのまま財布に入れてしまうのは、何だかもったいない気がして。
大事な言葉みたいに、ノートに留めておきたいような。

しばらく考えた末に、大切にしているお守りの中に、そっと忍ばせました。
心からの御縁を願うとき、これを使おうと思います。

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