文章を、整える④〜私にとっての「編集」とは〜

私にとっての「編集」とは、全体の流れや設計を整える、大きな視点のこと。

木が生えている庭全体を見渡しながら、
どこに道を作るか。どんな順番で歩くか。
訪れた人が心地よく過ごせるように、景色を設計していく作業です。

添削や推敲にも使った、この例文を、

【例:元の文】
この風景は、自分の心の中にあったものだったけれど、
それがこんなに鮮やかに現実にあるなんて、不思議な気持ちになったし、少し泣きたくなった。

もしもエッセイの締めくくりに置くのだとしたら、

【編集後1】
あの日見た風景は、ずっと心の中にあったのだ。
でも、それがこうして今、目の前に広がっている。
泣きたいような気持ちでいっぱいになったけれど、不思議と涙が流れることはなかった。

エッセイの冒頭に置くのだとしたら、

【編集後2】
ふいに、泣きたくなる。
あの日見た風景は、ずっと心の中にあったのだ、と思った。
でも、こうして目の前に広がっている現実が、とても不思議だ。

似たような言葉でも、文章の順序や表現の違い、語尾などによって、
読んだ人の印象や、感じる余韻は変わります。

どこに、どのように置くかを考えるときは、
この文章は、何につなげたいのか。
という視点で、見ています。

次回は、今までお話しした3つの視点、
「添削」「推敲」「編集」を使って、
私がどんなふうに文章を整えているかを、書きますね。

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