私の現在の役職は「お母さん」。
子どもに関わるあれこれは、私の大事な仕事である。
けれども、どうにもやる気にムラがあることに気がついた。
ぱっと身軽に動ける案件と、腰が重くて取り組めない案件とがある。
もちろん「仕事」であるので、一定以上のクオリティは保ちたいところだ。
個人のやる気に左右されてしまうのは、よろしくないだろう。
というわけで、やる気のあるなしを明確に把握するべく、分類してみた。
第1段階︰子どもの生命維持に関わることは、すぐやる。
病気や怪我、いじめのようなトラブルなど、心身に危険があるときは、迅速に動く。
第2段階︰暮らしに必要なことは、できる限りやる。
衣食住を整えること、子どものサポート、家族間のコミュニケーションなどは、ここに当たる。
第3段階︰暮らしを豊かにすることは、なるべくやる。
内容としては、第2段階とほぼ同じになる。
その質を、どこまで高めていくか。どこまで幅を広げていくか。
なので、私の心身の健康に基づく、余裕とエネルギーが必要になる。
育児で言われるところの、
“自分の愛情のコップがいっぱいになって初めて、他人に愛情を注げる”
状態に近い。
第4段階︰子ども自身がやりたいことは、子どもが何かしら動き始めたら、やる気になる。
どうやら、私の腰が重いポイントは、ここだ。
親と子の興味が一致しているものならいいのだけれど、そうでない場合、
私は“興味がないものに取り組む力”を出すために、エンジンを回転させなければならない。
だから、小さい子どもなら、
「これ、好き!」「これ、やりたい!」
と、目をきらきらさせて伝えてくれることであったり。
大きくなったら、先に自分でも内容を調べておいて、私に教えてくれることであったり。
夢中でやり続けている姿を、見せてくれることであったり。
第4段階は、いわば“プレゼンを受けて、動き出すプロジェクト”なのだ。
整理してみると、私は第3段階までの仕事はしている。
ここ最近、やる気が起きずに「母としてどうなのだ…」と思っていた案件は、
プレゼンがない、もしくは口だけプレゼンで、環境のお膳立てを待つような、第4段階のものだった。
母の中で得心がいったので、高校生の娘に説明してみた。
「なるほどね。わかるわ」
彼女はしっかりと納得し、私の仕事への取り組みを、肯定してくれたのである。
暮らしをともにする家族として、その器に感謝しつつ、私も邁進する所存である。