【noteエッセイ】いつか大人になる日まで

小3の息子は、冷凍のからあげが、最近お気に入りである。

レンジ調理できるものなので、自分で作ってもらっている。

ひとつずつ、できることが増えて、成長を感じる毎日。

ある日、会話の流れで、

「お母さんのごはんで、何が好き?」

という話題になった。

息子は、元気よく答えた。

「冷凍のからあげ! お母さんに、あっためてほしいの!」

そうだよね。

温めるだけの食品でも、自分でするのと、誰かにしてもらうのとは、違うよね。

私だって、同じだ。

買ってきたお惣菜を、自分で出して食べるのと、

誰かが「どうぞ!」って並べてくれるのとは、違う。

横から姉が、

「聞いてるのはそういうことじゃないっ」と突っ込んだので、息子は、

「カレー! お母さんのカレー!」

もうひとメニュー、つけ加えたのだった。

次の日、冷凍のからあげを温めて、息子に出した。

「やったあ! ありがとう、ありがとう!」

満面の笑みで、喜んでいる。

ちゃんと、カレーも作った。

「よっしゃあ!!」

ガッツポーズで飛びはねている。

ああ、子育てって、これだよな。と、思う。

きみの笑顔が、見たいんだ。

喜んでくれて、嬉しいな。

それからまた、息子は自分で、からあげを温めるようになった。

私もときどき、温めて「どうぞ」と出すようになった。

息子は、にこにこと食べている。

いま必要な愛のかたちは、いつも子どもたちが教えてくれる。

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