その感動を、留めておく。

文章を書くときの、かけらを集める感覚が好きです。

私が「書きたい」と思うとき、すでに完成されたものが存在しています。
素晴らしい本だったり、美しい景色だったり、楽しい体験だったり。
それ単体で完成されている存在を、わざわざ語りたい。
これが、私の「書きたい」です。

その素晴らしさを、美しさを、楽しさを語るには。
どう表現しようかと考えることが、私にとって、かけらを集める感覚なのです。

どんな言葉で。どんな気持ちで。どんなふうに、語ろうか。
きらきらした気持ちの記憶が、あちらこちらに散らばっていて、
私はそのかけらを、ひとつずつ集めて、並べていくんです。

私の心が動いた一瞬を、そっと留めてゆくように。
その感動を、再現するために。

私が書く言葉たちは、感動を留めておく、記憶の標本なのかもしれません。

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