私の不思議体験

子どもたちがYou Tubeで、都市伝説ネタの動画を見ていました。

霊や宇宙人、超能力などが流行った幼少期なのに、不思議体験には縁がなかったなあ…と考えていて、ふと思い出したのですが。

そういえば、小学生の頃から、よく脳裏に浮かぶ風景がありました。

古代中国を思わせる宮殿が、海ほども大きな湖の上に浮かんでいます。

厳島神社のようなイメージです。

水面に浮かぶ、朱塗りの柱の立つ廊下を歩く、天女のようないでたちの女性たち。

ネットで検索すると、古代中国の宮殿の衣装とか、天女の服で出てくるものです。

宮殿の中には、五色の縁取りがあしらわれた御簾が下がっていて、その向こう側にお姫様が暮らしています。

小学校の授業中、たびたびこの映像が浮かんでいました。

ふしぎ遊戯が好きだったし、その影響で中国風の想像をしていたのだろうと、今の今まで思っていた私。

改めて調べたら、ふしぎ遊戯は私が小学6年生になる年から始まった作品でした。

その映像が浮かんでいたのは小学3年生頃からですが、ふしぎ遊戯以前に、中国風の世界観に興味を持ったことはありません。

小説家になりたいと言い出したのも、5年生か6年生のことで、それまで物語作りもしませんでした。

すると、これは何だったんだろう?

教室の机の表面が、つるつるした木目模様で、水の流れのようだなあ…と思いながら頬を当てて目を閉じると、ひんやりとした感覚とともに、浮かんでくるんです。

記憶か、想像か。

私のものか、学校のものか、机のものか、教室にいた誰かのものか。

まったくわからないけれど、すぐそばに異世界が広がっていました。

今思い返すと、世界と世界の隙間に落っこちてしまいそうな、危うい場所だった。

物語を書き始めてからは、私の心は現実と想像の狭間にいたけれど、ちゃんと自分のいる位置はわかっていて。

足元から異世界と溶け合うような感覚は、この古代中国風の風景だけだったように思います。

当時は不思議だと感じてすらいなかったことが、不思議です。

いつか、この風景が何だったのか、わかる日が来るのかなあ。

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