今日の、心躍るもの。
稲刈りの終わった、からっぽの田んぼに、うすく水が張られています。
白鳥が羽を休めにくる場所です。
先日、雪が降りました。
水を張った田んぼにも、雪がしんしんと積もりました。
水の上に落ちた雪は、溶けてシャーベットのようになりました。
風のない静かな水面に、氷でも水でもない世界が広がっている。
ほの青く、灰色がかった白。
見渡すかぎり一面の、美しさ。
美しいものを見たとき、どうやって言葉にしようかと、心が躍ります。
視線の向くまま、つぶさに情景を描写しようか。
この一面の美しさを、短い言葉に磨きあげようか。
喜怒哀楽、私の感情をのせようか。
それとも今はまだ、言葉にしないでしまっておこうか。
今日の心躍る、美しいものは、
かたちのある静寂でした。
水のように軽くはない。
氷のように固くもない。
かたちあるものが、一切の動きなく、
じっと静けさを保っている水面が、
きっと白鳥が降りたった瞬間にだけ、
小さくふるえるだろう水面が、
美しい、と思いました。
