帰宅後、長男が、何やら工作をしていました。
「お母さん、見ないでね!」と念を押され、私は家事に集中することにします。
小さな紙に、切ったり貼ったり、絵を描いたりしている様子。
あいかわらず好きだなあ、と遠目から眺めていると、
「お母さん! いちばん好きな食べ物は?」
色鉛筆を片手に、尋ねてきます。
「うーん、さくらんぼかな」
「わかった!」
で、またしばらくすると、
「お母さん! いちばん好きな恐竜は?」
「いちばん好きな花は?」
そんな調子で、質問が続き…
「お母さん! 日曜日は、何の日でしょうか?」
満面の笑みで、私に渡してくれたのは、母の日のカードでした。
長男お手製の、カード。
表にも裏にも、私のいちばん好きなものばかり、描いてくれた。
「お母さんの好きなもの」にあふれたカードを作ってくれた、優しい長男。
…実は少し前に、長男と次男が喧嘩してグズグズだったので、派手に怒ってしまった私。
こんなお母さんなのに、大好きだよって、喜ばせようとしてくれた気持ちが、嬉しくて、申し訳なくて。
長男をぎゅうっと抱きしめて「ありがとう」と伝えました。